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2024年10月、山口重工業株式会社の代表取締役社長 山口豊和氏は、アメリカ・テキサス州サンアントニオに現地法人American Katerra LLCを設立しました。鋼材加工(Steel Fabrication)とカーボンマネジメントを主軸に、米国市場における新たな製造事業の展開を目指しています。本記事では、現地法人設立に至る経緯や、東京都中小企業振興公社の支援プログラムを通じたアメリカ進出の背景、そしてパートナーとして支援を行ったJU Marketingの役割について、インタビュー形式で詳しくご紹介します。
山口重工業株式会社様のご紹介
山口重工業株式会社は、1949年創業の歴史ある鉄骨ファブリケーターで、建築構造物やインフラ向けの鋼材製造を中心に事業を展開しています。近年では、グリーンスチールや脱炭素鋼の取扱い、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の活用、AI・IoTを用いた仮想製造技術の研究開発など、環境配慮とデジタル化を重視した次世代型ものづくりに取り組んでいます。また、温室効果ガス排出の可視化やカーボンマネジメントにも注力し、持続可能な社会の実現に貢献しています。
インタビュー

Interviewee
山口重工業株式会社/American Katerra LLC 社長
山口豊和 様

Interviewer
JU Marketing powered by Seki Water System LLC 代表
関 良太郎
アメリカでの新たな挑戦 ― American Katerra LLCとは?


JU Marketing 関(以下、関):
本日はお忙しい中ありがとうございます。まずは、アメリカ子会社「American Katerra LLC」の概要について教えていただけますか?

山口重工業株式会社/American Katerra LLC
社長 山口豊和 様(以下、山口):
こちらこそありがとうございます。American Katerra LLCは、私たち山口重工業株式会社が2024年10月、アメリカ・テキサス州サンアントニオに設立した現地法人です。鋼材加工(Steel Fabrication)を中心とした新しい製造・環境対応ビジネスをアメリカ市場で展開することを目指しています。企業ウェブサイトはhttps://katerra-us.com/です。
東京都の支援プログラムがきっかけに

関:アメリカ進出のきっかけはどのようなものだったのでしょうか?

山口:2024年に参加した「公益財団法人 東京都中小企業振興公社」の地域間経済交流事業(テキサス州ハンズオン支援プログラム)が大きなきっかけです。このプログラムで得たネットワークと現地視察の経験を通じて、「この地で挑戦してみよう」と決断しました。
サンアントニオという選択とGreater SATXの存在


関:アメリカの拠点としてなぜサンアントニオという都市を選ばれたのでしょうか?

山口:多くの企業が地理的に近い中国や東南アジアを選ぶ中で、我々は「技術先進国であるアメリカ」に活路を見出しました。その中でも、現在、経済発展が著しいテキサス州において、サンアントニオ市は、人材の多様性、経済発展のスピード、そして行政・経済団体の支援が充実していた点で非常に魅力的でした。
なかでもGreater SATXは、オフィス物件の紹介、地元企業との面談のセッティング、銀行や法律事務所の紹介など、非常に多岐にわたるサポートを提供してくれました。JU Marketingの関さんも、私たちと一緒にGreater SATXとのミーティングに参加してくださり、実務面でもしっかり連携して動いてくださったことに深く感謝しています。
JU Marketingを選んだ理由とその支援の幅広さ


関:今回のアメリカ進出で、JU Marketingに声をかけていただいた理由は何でしたか?

山口:やはり、「現地に根ざした日本語対応のマーケティング会社であること」ですね。加えて、東京都の支援プログラムで公式サポーターとして関さんのお名前を拝見しており、信頼できると思ったのが決め手でした。
実際にお願いしてみて、マーケティング支援にとどまらず、Google Workspaceを使ったメールシステムの設定や、オフィスのインターネット開通、ビジネス用スマートフォンの購入支援など、ITやインフラの面まで広くサポートしてくださり、大変、助かりました。また、現地でのミーティングにも実際に関さん自身が参加してくれて、大変助かりました。関さんからアドバイスいただいたことは、アメリカに住んでいなければわからないことばかりで、現地専門家の存在の重要性を改めて実感しました。
ウェブサイト制作の舞台裏:不確定な中でのスピード対応


関:アメリカ法人設立時、事業内容がまだ固まっていない状況でしたが、その中でも、弊社にウェブサイト制作をお任せいただきました。そのときの印象を教えていただけますか?

山口:はい。当初、まだ明確なビジネス内容が決まっておらず、「まずはウェブサイトだけ作っておこう」という段階でした。そのため、ウェブサイトに記載する内容も暫定的なものでしたが、JU Marketingさんは、少ない情報のなかで、2週間という短い期間でしっかりとした骨格を持つ英語サイトのドラフトを完成させてくれました。
ビジネスの輪郭がまだ曖昧な中、柔軟に構成を考えてくださったことに深く感謝しています。
SEOコンテンツマーケティングという新たな視点


関:ウェブサイト制作を進める中で、弊社がご案内した「SEOを意識したコンテンツマーケティング」という点についてはいかがでしたか?

山口:正直に申し上げると、これまでSEOなど意識したことがなく、「とりあえず、米国法人のウェブサイトは、英語で会社概要があればいい」と思っていました。
しかし、JU Marketingさんから「検索エンジンで見つけてもらうことが、新規取引のリード獲得や信用構築に直結する」というアドバイスをいただき、まさに目から鱗でした。構成や文体、キーワードの設計まで含めた「戦略としてのウェブサイト制作」は、大きな学びとなりました。
ビジネスモデルの転換と素早い対応


関:最初にお話をお伺いしたときは、貴社のビジネスモデルの方向性として「建設分野」を含んでコンテンツを作成いたしましたが、その後に「鋼材加工」にフォーカスする方針へと方針転換されました。その際の編者の対応はいかがでしたか?

山口:そうですね。設立当初は「建設関連ビジネス」も想定していましたが、アメリカ市場をリサーチする中で、「鋼材加工(Steel Fabrication)」に特化する方が我々の強みを活かせると判断しました。
JU Marketingさんは、方針転換後すぐにその内容を把握し、ウェブサイトの該当箇所の修正、追加ページの制作など、柔軟かつ迅速に対応してくださったのは本当に助かりました。
地域ネットワークと現地イベントへの参加


関:地域とのネットワーク構築のために、2025年4月、JU Marketingからご紹介した「Texas Energy Summit 2025」にも参加されましたね。その効果はいかがでしたか?

山口:非常に有益でした。Texas Economic Development Corporation主催のTexas Energy Summitでは、テキサス州知事オフィス(Economic Development & Tourism Office of Governor Greg Abbott)や、地元の再生可能エネルギー関係者など、多くの有力な方々と直接会話し、今後のビジネス連携につながる機会を得られました。
こうしたイベント情報を教えていただき、さらに参加登録や現地での準備についても相談に乗っていただけたのは、JU Marketingさんならではの手厚い支援だったと思います。
今後の展望とJU Marketingへの期待


関:最後に、American Katerra LLCとしての今後のビジョンと、JU Marketingへのご期待があればお聞かせください。

山口:American Katerraは、2030年までにテキサス証券取引所に上場するという目標を掲げています。このマイルストーンは、当社の透明性の向上、持続可能な成長、そして業界リーダーとしての確固たる地位の確立に対する揺るぎないコミットメントを表しています。上場は単なる財務的な動きではなく、私たちのビジョンを実現するための重要なステップです。これにより、事業の効率性を高め、優秀な人材を惹きつけ、業界を革新する取り組みを加速させることが可能となると思っています。
今後は、鋼材加工を基軸とした脱炭素対応製品の開発・供給に注力していきます。北米市場は競争も激しいですが、それ以上に新しい価値を求める企業が多く、我々の技術と姿勢をしっかりと伝えていければ、可能性は広がると信じています。
JU Marketingさんには、これからもAmerican Katerraのウェブ戦略、イベント支援、現地調整のパートナーとして、末永く伴走していただければ嬉しいです。
編集後記(JU Marketing)
米国市場への進出は、一朝一夕では実現できません。山口重工業様のように、地道な調査・関係構築・柔軟な戦略変更を繰り返しながら、確実に一歩ずつ前進する姿勢は、他の日本企業にとっても大いに参考になるものです。
JU Marketingは、今後も「マーケティング×現地支援」の立場から、企業の海外挑戦を支えていきます。