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海外進出に使える補助金は、国だけでも数十種類あります。ものづくり補助金のグローバル枠は上限3,000万円、JETROの輸出支援事業は補助率2分の1——金額だけ見れば、魅力的な制度がずらりと並びます。
ところが、いざ調べ始めると多くの企業がつまずきます。制度名が似ていて違いが分からない、自社が対象になるのか判断できない、去年見た情報がもう古い。海外進出の補助金探しの本当の難しさは「制度を知ること」ではなく、「自社に合う制度を、変わり続ける情報の中から選び抜くこと」にあります。
本記事では、米国テキサスを拠点に日本企業の海外進出を支援するJU Marketingのシニアコンサルタントが、海外進出の補助金・助成金を「どこで・どう探し、どう選ぶか」という観点で整理します。個別制度は代表例を挙げますが、金額・要件・締切は年度ごとに変わるため、必ず各制度の公式情報で最新情報をご確認ください。
【この記事の要点】
- 海外進出の補助金は「国(経産省・JETRO・中小機構)」「自治体」「分野特化」の3つの入口で探すと整理しやすい
- 補助金・助成金は年度ごとに公募内容・金額・締切が変わる。本記事の数値は目安で、申請時は必ず公式情報で最新を確認する
- 選び方の軸は「対象経費が自社の用途と合うか」「補助率・上限」「公募時期」「採択のハードル」の4つ
- 補助金は「申請して終わり」ではなく事業計画の精度が採択を左右する。専門家・公的支援の活用も有効
海外進出に補助金・助成金が使える理由
国が海外進出を支援するのは、国内市場が縮小するなかで、中小企業の海外展開が日本経済の成長につながるからです。JETROの調査でも、企業が海外で事業を拡大する最大の理由は一貫して「市場規模・成長性」であり、成長を海外に求める動きは中小企業にも広がっています。
補助金・助成金は、この海外展開にかかる費用の一部を公的に負担する仕組みです。具体的には、海外市場調査、展示会・商談会への出展、越境ECや多言語サイトの構築、現地法人設立、設備投資などが対象になり得ます。返済不要の資金であるため、活用できれば初期コストを大きく抑えられます。
ただし注意点もあります。補助金は原則「後払い(精算払い)」で、まず自社で費用を立て替える必要があること。そして公募期間が限られ、申請には事業計画書の作成が求められることです。「使えるはず」と当てにして資金繰りを組むのではなく、採択されなかった場合も想定して計画を立てるのが鉄則です。
海外進出の補助金はどこで探す?3つの入口
数多くの制度を効率よく探すには、提供元を3つの入口に分けて考えると整理しやすくなります。
入口1:国の制度(経済産業省・JETRO・中小企業基盤整備機構)
最も規模が大きく種類も多いのが国の制度です。経済産業省と中小企業庁が所管する補助金、その実施機関であるJETRO(日本貿易振興機構)や中小企業基盤整備機構の支援が中心になります。横断的に探すなら、国が運営する補助金検索サイト「ミラサポplus」や、Jグランツ(電子申請システム)が出発点として便利です。
入口2:自治体の制度(都道府県・市区町村)
各自治体も、地域企業の海外展開を支援する独自の補助金・助成金を設けています。たとえば東京都は東京都中小企業振興公社を通じて海外展開支援を行っており、展示会出展費や市場調査費の助成などがあります。滋賀県・三重県など他の道府県にも同様の制度があるため、自社の本社所在地の自治体名と「海外展開 補助金」で検索するのが確実です。地域限定の制度は競争率が国の制度より低い傾向があり、見落とさない価値があります。
入口3:分野・目的に特化した制度
特定の業種や目的に絞った制度もあります。農林水産物・食品の輸出、コンテンツの海外展開、知的財産の海外侵害対策など、分野ごとに専用の支援が用意されています。自社の事業が特定分野に当てはまる場合、汎用の制度より手厚い支援を受けられることがあります。
代表的な海外進出の補助金・支援制度【2026年時点の例】
ここでは、海外進出でよく使われる代表的な制度を例として紹介します。いずれも年度ごとに内容が変わるため、金額・要件・締切は必ずリンク先の公式情報で最新をご確認ください。
ものづくり補助金(グローバル枠)
中小企業庁の「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」には、海外展開を目指す事業者向けの「グローバル枠」があります。海外直接投資・海外市場開拓(輸出)・インバウンド対応・海外企業との共同事業の4類型が対象で、補助上限額は通常3,000万円(特例適用時は最大4,000万円)、補助率は中小企業で2分の1が基本です。設備投資を伴う海外展開に向く制度ですが、付加価値額・給与支給総額の成長目標などの要件があり、採択率は近年30%台で推移しています。最新の公募要領はものづくり補助金総合サイトで確認してください。
JETROの輸出・海外展開支援
JETRO(日本貿易振興機構)は、中小企業の海外展開を幅広く支援しています。輸出未経験の企業向けの「新規輸出1万者支援プログラム」によるハンズオン支援、海外見本市「ジャパンパビリオン」への出展支援(ブース費・装飾費の一部補助)、海外ミニ調査・ブリーフィングサービスなど、無料〜低コストで使えるメニューが揃っています。「中堅・中小企業輸出支援エコシステム形成事業費補助金」のように、補助率2分の1・上限額が設定された補助金もあります。詳細はJETRO公式サイトを参照してください。
自治体の海外展開支援(例:東京都)
東京都・東京都中小企業振興公社は、都内中小企業の海外展開を支援しています。海外展示会への出展費用の助成や、海外進出の専門家(サポーター)による個別相談などがあり、初期段階の心強い受け皿になります。実は、JU Marketingのシニアコンサルタントも、東京都と米国テキサス州の覚書に基づく地域間経済交流(テキサス州)のサポーターとして登録されています。お住まいの自治体の制度は、自治体名とあわせて検索して確認してください。
失敗しない補助金の選び方:4つの軸
数ある制度から自社に合うものを選ぶには、次の4つの軸でチェックすると判断しやすくなります。
第一に、対象経費が自社の用途と合っているか。同じ「海外進出の補助金」でも、設備投資が対象のもの、展示会出展が対象のもの、市場調査が対象のものと、使い道が制度ごとに決まっています。自社が何にお金を使いたいかを先に決め、それに合う制度を探す順序が効率的です。
第二に、補助率と上限額です。補助率2分の1なら、かかった費用の半分が補助され、残り半分は自己負担です。上限額と合わせて、実際に自社がいくら負担するのかを試算しておきましょう。
第三に、公募の時期です。補助金には公募期間があり、多くは年に数回の締切が設定されています。海外進出のスケジュールと公募時期が合わないと申請できないため、早めに年間の公募予定を把握しておくことが重要です。
第四に、採択のハードルです。人気の制度は申請者が多く、採択率が3割程度のものもあります。事業計画書の質が採択を左右するため、「申請すれば通る」前提で計画を組むのは危険です。
補助金申請を成功させるために
補助金は、申請書を出せば自動的に受け取れるものではありません。とくに海外展開系の補助金は、「なぜ海外なのか」「どう国内の生産性向上につながるのか」といった事業計画の論理性が厳しく問われます。
採択率を高めるには、公的支援を上流で活用するのが有効です。JETROや商工会議所、中小企業基盤整備機構では、海外展開の無料相談や専門家のアドバイスを受けられます。まずこうした公的窓口で事業の方向性を固め、補助金の申請計画に反映させるのが定石です。海外進出支援サービス全体の選び方は「AI時代の海外進出コンサルの選び方」でも解説しています。
また、補助金はあくまで手段であって目的ではありません。「補助金が取れるから海外に出る」のではなく、「海外で成果を出すために、使える補助金を活用する」という順序を忘れないことが大切です。海外進出全体の進め方は「海外進出完全ガイド」で詳しく解説しています。
よくある質問
Q1. 海外進出の補助金は中小企業でも使えますか?
はい。むしろ中小企業を主な対象とする制度が多数あります。ものづくり補助金のグローバル枠や、JETRO・各自治体の支援は、中小企業の海外展開を後押しすることを目的としています。まずは自社の規模・業種で対象になる制度を探すところから始めましょう。
Q2. 補助金と助成金の違いは何ですか?
明確な線引きはありませんが、一般に「助成金」は要件を満たせば受給しやすいもの、「補助金」は予算や採択枠が限られ審査で採否が決まるもの、という傾向があります。海外進出系は補助金が多く、事業計画の質が採否を左右します。
Q3. 補助金はいつ申請すればよいですか?
制度ごとに公募期間が決まっており、多くは年に数回の締切があります。海外進出のスケジュールから逆算し、早めに対象制度の公募予定を確認しておくことが重要です。締切間際の準備では、質の高い事業計画書は作れません。
Q4. 補助金の情報は何で確認するのが確実ですか?
必ず各制度の公式サイト(経済産業省、JETRO、中小企業基盤整備機構、各自治体、ものづくり補助金総合サイトなど)で最新の公募要領を確認してください。補助金は年度ごとに内容が変わるため、まとめサイトの情報が古くなっていることがあります。自社だけで判断が難しい場合は、JU Marketingの無料コンサルティングでもご相談いただけます。
まとめ:補助金は「探し方」と「選び方」で差がつく
海外進出の補助金・助成金は数多く存在しますが、年度ごとに内容が変わるため、個別制度を覚えるより「国・自治体・分野特化の3つの入口で探す」「対象経費・補助率・公募時期・採択ハードルの4軸で選ぶ」という枠組みを持つことが大切です。
そして補助金は手段にすぎません。海外で成果を出す事業計画があってこそ、補助金は活きます。「自社はどの制度が使えるのか」「どう申請計画に落とし込むか」——その最初の整理からご一緒できます。まずは無料コンサルティングでお気軽にご相談ください。米国テキサスの現地視点とデータをもとに、貴社の海外進出を資金面から支えます。
JU Marketingについて
日本企業の海外展開、特にアメリカ市場におけるウェブ戦略・デジタルマーケティングを専門とするコンサルティング・ファーム。最新のSxEO(Search Everywhere Optimization)に基づき、ウェブ構築からコンテンツ制作、広告運用までを一気通貫でサポートします。




