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Eビザとは?
Eビザは、アメリカと通商条約を結んでいる国の企業や個人がアメリカでビジネスを展開するために取得できる非移民ビザです。日本は日米通商条約を結んでいるため、日本企業や日本国籍を持つ個人は申請可能です。Eビザには「E-1ビザ」と「E-2ビザ」の2種類があり、それぞれ目的や条件が異なります。
E-1ビザとE-2ビザの違い
E-1ビザ(貿易ビザ)
日本とアメリカ間の「実質的な貿易」を目的としたビザです。商品、サービス、技術などの取引が対象で、申請企業が両国間で継続的な貿易を行っていることが条件です。貿易額の50%以上が日本とアメリカ間である必要があります。
E-2ビザ(投資ビザ)
アメリカでの事業への「投資」を目的としたビザです。新規事業の立ち上げや既存企業の買収など、投資活動が対象で、「実質的」かつ「リスクを伴う」投資が求められます。
例えば、E-1ビザは輸出入業や商社に適しており、E-2ビザはレストランや小売店の開業など現地での事業展開に適しています。日本企業は事業内容に応じて適切なビザを選ぶ必要があります。
Eビザ申請に必要な5つの項目
1. 投資先または貿易先の企業が日本国籍を持つこと
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E-2ビザ
アメリカに設立する企業(または投資先企業)の株式の50%以上を日本国籍を持つ個人または日本企業が保有する必要があります。日本国籍とは、アメリカの永住権や市民権を持たない日本人を指します。親会社が日本にあり、アメリカに子会社を設立する場合は、親会社の株主構成を確認してください。上場企業は「日本国籍の企業」とみなされる場合が多いです。
E-1ビザ
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貿易を行う企業が日本国籍を持ち、日本とアメリカ間で実質的な貿易を行っている必要があります。株主構成の証明も求められます。
2. 実質的かつリスクを伴う投資額(E-2ビザ) / 実質的な貿易額(E-1ビザ)
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E-2ビザ
「実質的」かつ「リスクを伴う」投資が求められます。具体的な金額は明示されていませんが、10万ドル(約1,500万円)以上が目安です。事業規模や業種によって柔軟に判断され、レストランや小売業なら少額でも認められる可能性があります。資金が銀行口座に眠っているだけでは不十分で、オフィス契約、設備購入、従業員雇用などの具体的な動きが必要です。
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E-1ビザ
日本とアメリカ間の貿易が「実質的」かつ「継続的」でなければなりません。金額に明確な基準はないものの、年間の取引量や頻度が審査で重視されます。単発取引ではなく、定期的な実績が求められます。
3. 事業計画書(ビジネスプラン)の提出
投資または貿易がアメリカ経済に貢献するかを判断するため、詳細な事業計画書が必要です。
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E-2ビザ: 記載すべき内容
- 事業概要(業種、ターゲット市場)
- 投資金額とその内訳
- 雇用創出の見込み(アメリカ人従業員の採用計画)
- 5年間の収益予測
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E-1ビザ: 貿易に関する計画書の記載項目
- 貿易の内容(商品やサービスの種類)
- 日本とアメリカ間の取引実績
- 将来の貿易計画と雇用創出の見込み
4. 申請者の役割とスキル
申請者はアメリカでの事業で「管理職」または「特殊技能者」としての役割を担う必要があります。単なる労働者は対象外です。
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E-2ビザ
日本本社で管理職経験があり、アメリカ子会社の運営を監督する場合は適格とされやすいです。
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E-1ビザ
貿易業務の管理や、国際取引に必要な専門知識(例: 物流や通関)が求められます。 職務経歴書や推薦状が役割の証明に役立ちます。
5. 必要書類の準備
企業と個人の両方が審査されるため、提出書類は多岐にわたります。
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企業関連(共通)
- 会社登記簿謄本(アメリカ子会社と日本親会社)
- 株主構成を示す書類
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E-2ビザ
- 投資資金の出所証明(銀行取引明細など)
- 事業計画書
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E-1ビザ
- 貿易実績の証明(契約書、インボイス、取引明細など)
- 事業計画書
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個人関連(共通)
- パスポート
- 履歴書(職務経歴書)
- DS-160申請フォーム
- ビザ申請料(315ドル/2025年3月時点)
これらは東京のアメリカ大使館や大阪の総領事館に提出し、面接を経て審査されます。
Eビザ申請時に会社のウェブサイトは必要か?
Eビザ申請に会社のウェブサイトは必須ではありません。公式な要件には含まれていないため、ウェブサイトがなくても申請は可能です。ただし、ウェブサイトを準備することで、以下のような点で有利に働く場合があります。
Eビザ申請でウェブサイトを準備したほうが有利な理由
- 事業の信頼性が高まる
ウェブサイトがあれば、事業の概要や実績を視覚的に示せ、審査官に「本物のビジネス」であることを印象づけられます。特にE-2ビザでは投資の「実質性」を証明する必要があり、ウェブサイトがその裏付けとして役立つことがあります。 - 事業計画の具体性が伝わりやすい
事業計画書に書かれた内容(業種、ターゲット市場、サービスなど)をウェブサイトで補足すれば、計画の実現性がより明確になります。審査官が事業の将来性を評価しやすくなるでしょう。 - 審査官の確認がスムーズに
審査官が事業の存在を独自に調べる際に、ウェブサイトがあれば簡単にアクセスでき、信頼感を与えられます。特にE-1ビザの貿易実績をアピールする場合、取引内容をウェブ上で紹介しておくと説得力が増します。 - アメリカでの市場準備を示せる
ウェブサイトは顧客向けの情報発信ツールでもあり、アメリカ市場での事業展開への本気度をアピールできます。これはE-2ビザの「経済への貢献」という要件にプラスに働く可能性があります。
ウェブサイトがない場合の対応
ウェブサイトがなくても、他の書類で事業の実態を証明できれば問題ありません。例えば、会社登記簿、取引明細、オフィスの賃貸契約書、マーケティング資料などがあれば十分です。小規模事業でウェブサイトを作る余裕がない場合でも、書類を丁寧に準備することでカバーできます。
ウェブサイト準備のポイント
ウェブサイトを作成する際、事業概要、サービス内容、連絡先を簡潔に掲載するだけでも十分な場合があります。しかし、将来的にアメリカで本格的なビジネスを展開する予定であれば、しっかりとした戦略に基づいてウェブサイトを構築することで、審査官からの信頼を得られ、申請が却下されるリスクを減らすことができます。実際に、弊社のお客様の中には、ウェブサイトの記載内容が不十分であると審査官に指摘され、細かい修正を余儀なくされたケースもあります。過度に凝ったデザインは必要ありませんが、進出を計画しているビジネスの概要が審査官に明確に伝わるよう、戦略的にコンテンツを設計することが重要です。
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Eビザ申請の流れと注意点
アメリカのビザ申請は、自分で申請することも可能ですが、英語の説明文を読んだり、大使館での様々なやり取りを自分で準備しなければならないなど、専門家を交えないと非常にハードルが高いといえます。そこで、ビザ申請を専門とする弁護士に依頼すると書類の作成から申請まで、一貫して支援してもらえるため、非常に便利です。ビザ申請を専門とする弁護士の一覧は、こちらです。
日系移民弁護士事務所
- ニューヨーク:Tigris Legal PLLC
- ロサンジェルス:野口法律事務所
- オレンジカウンティ―:滝法律事務所
- ヒューストン:木村法律事務所
Eビザ申請の流れ
オンライン申請
1. アメリカ大使館のオンラインビザ申請サイトで企業情報を登録します。
必要書類
2. 必要書類をアップロードし、面接を予約します。
面接
3. 申請者本人が大使館または領事館で面接を受け、審査通過後にビザが発行されます。
Eビザ申請時の注意点
- 審査期間は企業登録からビザ発行まで6週間~3か月程度かかる場合があります。
- 配偶者や21歳未満の未婚の子供もE-1ビザまたはE-2ビザの対象となり、家族として同行可能です。配偶者は就労許可を取得でき、子供はアメリカの教育機関に通えます。
Eビザに関するよくある質問
Q1: Eビザの配偶者はアメリカで働けますか?
はい、E-1ビザおよびE-2ビザの配偶者はアメリカで自由に就労可能です。2022年1月以降、米国政府は配偶者に発行されるForm I-94に特別なコード(E-1SまたはE-2S)を記載し、これが就労許可の証明となります。
Q2: 扶養家族の国籍が日本以外でもEビザに含められますか?
はい、主申請者が日本国籍であれば、扶養家族(配偶者や21歳未満の子供)の国籍が異なっていても問題ありません。
Q3: アメリカに既にいる家族をEビザの扶養家族に変更できますか?
可能です。フォームI-539(非移民ステータス変更・延長申請書)を提出することで申請できます。
Q4: Eビザの有効期間はどのくらいですか?
初回は最長5年が一般的ですが、入国時の滞在許可は通常2年で、その後は延長申請が可能です。
Q5: Eビザ申請に必要な最低投資額は決まっていますか?
E-2ビザに最低投資額の明確な基準はありません。10万ドル程度が目安ですが、事業規模により異なります。
まとめ
日本企業がアメリカ進出を目指す場合、E-1ビザかE-2ビザかを事業内容に応じて選び、申請を進める必要があります。ウェブサイトは必須ではありませんが、準備しておくと審査で有利に働く可能性があります。JU Marketingでは、ビザ取得後の事業戦略についてもサポートできます。詳細はお問い合わせください。