アメリカ企業から学ぶ企業ウェブサイト「ブログ開設のメリット」

ブログというと何を想像されますか?

趣味や料理レシピ、ペットの成長記録やひいては自分考えや意見を発信するなど、どちらかというと「個人」に依存した情報発信というイメージが先行するのではないでしょうか?

でも、これは、日本だけのイメージで、アメリカでは、多くの「企業」が公式ウェブサイトでブログを開設し、定期的に情報発信をしています。

しかし、日本の企業がブログを公開しているという話は、あまり聞きません。実際に日本の名だたる企業のウェブサイトでブログを公開しているか?を調査してみましたが(後述)、ニュースリリースや新製品情報という類の情報発信はあるものの、「ブログ」と呼べるページを開設している企業はごく少数でした。

なぜ、アメリカでは、このように、企業がブログを公開しているのでしょうか?そこには、明確なマーケティング戦略が存在します。今回は、その戦略を紐解いていきたいと思います。

アメリカ企業と日本企業のブログ開設の有無を比較

まずは、アメリカ企業と日本企業のウェブサイト内におけるブログの有無を比較してみたいと思います。アメリカのダウジョーンズ30種平均と日本のTOPIX30社平均の企業内公式ウェブサイトでブログを開設しているかを調査、下記の通り、まとめてみました。なお、ブログの定義は、以下の通りです。

  • 社報や人事情報などのニュースリリース、製品紹介ではなく、社内の話題やマーケットに特化した、いわゆるブログと呼べる内容であること
  • 定期的に情報が発信がされていること。
それでは、見ていきましょう。
(ブログ有無のリンクをクリックするとそれぞれの企業のブログを開くことができます。)
アメリカ企業(Dow30社)ブログ有無
3M
American Express
Apple
Boeing
Caterpillar
Chevron
Cisco
Coca-Cola
Disney
Dow Chemical
Exxon Mobil
Goldman Sachs
Home Depot
IBM
Intel
Johnson & Johnson
JPMorgan Chase
McDonald's
Merck
Microsoft
Nike
Pfizer
Procter & Gamble
Travelers Companies Inc
United Technologies
UnitedHealth
Verizon
Visa
Wal-Mart
Walgreen
合計26社 / 30
日本企業(日経Topix 30社)ブログ有無
日本たばこ産業
セブン&アイ・ホールディングス
信越化学工業
花王
武田薬品工業
アステラス製薬
第一三共
リクルートホールディングス
日立製作所
ソニー
キーエンス
ファナック
村田製作所
トヨタ自動車
本田技研工業
キヤノン
任天堂
三井物産
三菱商事
三菱UFJフィナンシャル・グループ
三井住友フィナンシャルグループ
みずほフィナンシャルグループ
東京海上ホールディングス
三菱地所
東日本旅客鉄道
東海旅客鉄道
日本電信電話
KDDI
NTTドコモ
ソフトバンクグループ
合計9社 / 30

アメリカのDow30社にリストされている企業のうち、26社がそれぞれの会社の公式ウェブサイト内で、ブログを開設していました。一方、日本のTOPIX30社にリストされている企業では、わずか9社でした。

なぜアメリカ企業は、ブログを開設しているのか?

アメリカ企業のブログでは、企業の製品やサービスにとらわれず、様々な話題を提供しています。例えば、社員の日常、お客様の声、社会貢献活動、教育への取り組み、時事情報など本当に多種多様。これらは、一見、本来の企業活動とは、全く関係のない情報と思えるのですが、なぜ、アメリカ企業はこうした関係のない情報を発信しているのでしょうか?

答えは、顧客との接点(タッチポイント)を増やすためです。特に、Googleなどの検索エンジンで、ブログで取り上げた話題が、インデックス化されることを期待しています。つまり、Googleの検索エンジンでにブログの話題がキーワードとしてインデックス化されることで、企業の製品・サービスとは一見関係のない分野の顧客セグメントを自社ウェブサイトに流入させ、ブランディングを行い、全く関係のない方向からのタッチポイント創出を期待しているわけです。

例として、キャタピラーのブログを見てみましょう。(ブログは、こちらから。→「BRIDGING THE GAP BETWEEN THE CONSTRUCTION SPENDING BOOM AND LABOR SHORTAGES」)

このキャタピラーのブログでは、建築会社へのリクルーティングに関する情報を発信しています。どのように採用活動を行っていけばよいのか?という話題に触れ、建築会社向けに自社製品とは全く関係のない情報を発信しています。ご存じのようにキャタピラーは、建築機材を製造するメーカーですから、建設業界におけるリクルーティングは、全く関係のない分野です。しかし、ブログでこうした関係のない話題に触れることで、繋がりのない顧客セグメントを自社のウェブサイトに流入させ、潜在顧客とのタッチポイントを創出させるという効果を期待しているわけです。また、この記事の中では、リクルーティング活動で採用される従業員がキャタピラー製品に慣れ親しめるような情報も発信し、オペレーターとしてのスキルアップの方法にも触れています。これは、建設業界に職を求めている人々へのモチベーションとなり、それが、キャタピラー製品のブランディングに繋がる効果をもたらしているわけです。

潜在顧客 タッチポイント

このように多種多様な話題を取り上げ、それらブログで触れた話題が企業の製品・サービスとは関係のない記事であったとしても、Googleは、同一のドメインウェブサイト内に設置された情報をキーワードとしてインデックスの中で蓄積していきます。その蓄積された情報が新たな潜在顧客を生み出すきっかけとなるわけです。

以前の記事で、マーケティングは潜在顧客を増やすことだと述べましたが、ブログは、様々な話題に触れられる特性があることから、顧客との接点を増やすことができる画期的な情報発信ツールであるわけです。

SNSを利用してGoogleインデックス化

よくSNSにお客様の事例をご紹介している企業さんを見かけます。SNSは、Googleの検索結果に表示されるのでしょうか?答えはYesです。FacebookやTwitterに投稿した内容もGoogleは、きちんと巡回(クロール)してインデックスを拾っています。

しかし、検索の上位を狙いたいのであれば、細かい設定ができるブログのほうがお薦め。ブログを公開し、SEO内部施策をすることで、きちんとした意図をもって、Googleにインデックス化を促すことができます。

ただし、SNSを利用して情報発信をしていく場合は、注意が必要です。投稿するアカウントが公開になっていないと、不特定多数の人の目に触れることがありません。ですので、必ず、自分の投稿が公開になっているかを確認する必要があります。
Facebookの公開・非公開設定は、こちら
Twitterの公開・非公開設定は、こちら

 

SNS

アメリカ企業のブログ事例

世界展開しているアメリカ企業の中には、多くの人々にとって非常に重要な情報をブログの記事だけで、発信しているという事例を多々見受けます。その代表例がGoogleです。Googleは、「Google Webmaster Central Blog」というブログを公開していて、このブログの中で検索アルゴリズムの変更や重要なアップデート情報を公開しています。

最後に、皆さんに役に立ちそうなブログサイト(英語)をいくつかご紹介しようと思います。

まとめ

今回は、多くのアメリカ企業が自社公式ウェブサイト内でブログを開設しているという話題をとりあげ、その裏にあるデジタルマーケティング戦略についてご説明いたしました。

  • 多くのアメリカ企業がブログを開設しているが、日本の企業は少数である。
  • ブログは、多種多様な話題に触れられることから、全く別の顧客セグメントとの接点(タッチポイント)創出するのに役立つ。
  • SNSの投稿もタッチポイント創出に役立つが、ブログのほうが細かい設定ができるため、意図したキーワードをGoogleインデックス化しやすい。
もし、SNSなどで自社の情報を発信しているのであれば、ぜひ、それをブログとして自社のウェブサイトで公開することを強くお勧めします。公開された情報は、Googleにインデックス化され、公開したトピックで検索をした顧客が訪れて新規顧客開拓につながることを期待できます。そういった意味で、ブログは、潜在顧客と自社をつなげる情報発信アーカイブなのです。

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R.Seki

日本のIT企業で営業をとして活動後、2008年に渡米、サンフランシスコでMBA取得。米国で様々なプロジェクトに参加後、ビジネスリサーチを展開。テキサス州サンアントニオ市在住。JU Marketingを通し、日本の多くの企業の方が適切なデジタルマーケティングを推進していただけるよう情報を公開しています。ご質問がございましたら、なんでもご相談ください。

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